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vol.26オール電化について

2023.04.17

安全でクリーンな住宅として2000年代から広まったオール電化住宅。
近年は環境保全の政策で太陽光パネルの設置を国が推奨し、そのための補助金等のさまざまな対策がされています。
しかし、家庭内すべてのエネルギー源を電気のみでまかなうため、災害時のエネルギー力や初期費用など疑問は尽きません。

そもそもオール電化とはどういったものをいうのでしょうか?
また、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
実際にひも解いていきたいと思います。

オール電化とは?

まず、前提としてオール電化とは「住宅で使うエネルギーをすべて電気でまかなう」ことです。
調理、空調、電気、給湯などの熱源をすべて電気でまかなっている住宅のことを指します。実際の使用例としては、屋根に乗せた太陽光パネルで日中に発電した電気を使って、料理をしたりお風呂を沸かしたりします。

エコすまい支援の対象になる住宅

オール電化住宅で使われる主な設備

<キッチン>
ガスコンロではなく、電気を使って調理するIHクッキングヒーターを使用します。
火を使わないので安心・安全・お手入れが簡単という理由で小さなお子様のいる家庭や高齢者世帯にも人気です。

<給湯>
ガスや石油で水を沸かすのではなく、安い深夜電力をつかって夜の間に水を沸かして日中に使えるようにお湯をためておく「エコキュート」や「電気温水器」を使用します。
※電気温水器は電気のみを使ってお湯を沸かすためエコキュートに比べて電気代がかかるので、近年はエコキュートが主流になっています。

<暖房>
エアコンや、床暖房が最近の主流になっています。
電気ヒーターも選択肢として増えてきていますね。

<太陽光発電>
オール電化に切り替えると、安い深夜電力が使えるようになる代わりに昼間の電気が少し割高になります。
そのため、昼間に発電してくれる太陽光発電とオール電化は相性が良く、セットで導入するご家庭も多いです。

オール電化のメリット

エコすまい支援の対象になる住宅

①火を使わないので安全
料理で使用するIHコンロは火を使わないので火事のリスクがとても低いです。
日々のIHコンロのお手入れも楽々です。

②光熱費を節約できる
光熱費の中でも大部分を占める「お湯」と「暖房」にかかるコストを安く抑えられるという点です。
電力会社を自由に選択できるようになった現在、自分たちに合うプランで契約することでお得に利用でき、ポイントも活用できます。

③電気、ガスの基本使用料を一本化できる
こちらもコスト面で、月々かかる光熱費の基本料金が電気のみになるのでシンプルになります。

④災害時の起点
災害時、ガスに比べて復旧が早いという点と、エコキュート内の水を利用できるという点です。(飲み水ではありません)

エコすまい支援の対象になる住宅

オール電化のデメリット

①災害時、停電するとすべての機器が使えない
電力でエネルギーを一本化しているため、停電が起こった際に生活に必要な機器が全て使えなくなることは大きなデメリットといえます。

②設置スペースを要する
ヒートポンプユニット+貯水タンクというかなりの大きさの設備を屋外に設置します。
スリムタイプもありますが、実際に使う湯量より小さいと、日常的に湯切れする可能性があります。
それらを設置する余裕も見て十分な広さの敷地を確保しましょう。

③昼間に電気を多く使用する場合、光熱費が上がってしまうことも
日中は電気代が高いため、日中家にいることが多い高齢者世帯や、ペットがいて日中エアコンをつけっぱなしにしている場合はかえって高くなってしまう可能性大。

④初期の導入コストが高い
電気温水器やエコキュートの導入、そしてガス用の設備をオール電化対応の機種にすべて変更することになるため、どうしても高くなってしまいます。
(初期費用は高いですが、月々の光熱費を安く抑えることができる等トータルコストで検討されると良いでしょう。)

オール電化が向いている家庭

①共働き家庭
日中は電気代が高いため、日中にあまり電気を使用しない共働き家庭にはお勧めです。

②キッチンを安全に使いたい
火を使わない為、小さいお子様がいる家庭やペットと暮らす家庭にお勧めです。

③キッチンで快適に料理したい
IHコンロは普通のコンロよりも熱くなりにくいので、夏場は特に、茹でたり焼いたり揚げたり…が快適に!日々のお掃除もトッププレートをサッと拭くだけですのでとても簡単です。

こんな方はガス併用

①料理や調理器具にこだわりがある方
「どうしても火をみながら料理したい!」「炒め物でフライパンを振りたい!」などの理由がある方。使用感の好みで分かれます。

②都市ガスが使用できる地域に住んでいる
ランニングコストを考えたとき、都市ガスが一番安価です。
プロパンガスはメリット・デメリットを考慮して検討しましょう。

③寒冷地に住んでいる
ガスファンヒーターを使いたい、床暖房を使いたい、という方。
※床暖房は電気式と温水式があり、電気式の方が温水式よりも初期費用を抑えられますが、電気代や暖かさは温水式の方が優秀です。

④ガス式衣類乾燥機を使いたい
ガス商品ですので、オール電化住宅では使えません。

オール電化が選ばれる理由

近年、電力小売業が全面自由化され様々な企業が参入して電力会社選択が自由化され、各社、電力量を増加させるためオール電化の販売に力を入れています。
2011年に起きた東日本大震災や、毎回起こる自然災害対応するため、自家発電システムを備えたオール電化住宅なども登場していて、現在ではオール電化住宅は、住宅の購入やリフォームの時に選択肢に上がるほど当たり前になっています。

また、IHクッキングヒーターの設備性能や給湯器の性能アップもオール電化の普及に一役買っていると考えられます。
以前は炒め物にはやっぱり火力の強いガスコンロがいいというイメージが強かったのですが、IHの性能は年々アップしています。
むしろボタン一つで火力を調節できたり、煮物や揚げ物の温度を調節できたり…と、慣れてくるとIHの方が使いやすいという方も。

工夫次第で一般住宅よりも電気代を抑えることが出来る人気のオール電化住宅ですが、必ずしも電気代が安くなるわけではありません。
オール電化住宅にはオール電化向けの電気プランがあり、夜間の電気代が格段に安いです。ただし、一般的な電気プラン(従量電灯)と比較すると、昼間の1kwhあたりの電気料金が割高になっているプランがほとんどです。
ですので、それぞれのライフスタイルに合わせて採用するかしないか、検討していくことをおすすめします。

最後に…

オール電化は新築のみならずリフォームでも多く取り入れられています。
昔の給湯器にはフロンガスが使用されていて、二酸化炭素を排出する事が地球温暖化の温床になっていることが指摘され続けてきましたが、エコキュートはフロンガスを使わない環境に優しい技術として開発され、我が国でも環境保護技術の社会への普及の取り組みは重要視されています。
それにより国も助成金の政策など常に出しています。
つい先日もこども未来住宅支援事業に続き、新たに「こどもエコすまい支援事業」という補助金制度が始まりました。

詳しくは国土交通省HPへ。
住宅:こどもエコすまい支援事業について - 国土交通省 (mlit.go.jp)

アユムホームのコラムでも「こどもエコすまい支援授業」についてまとめた記事がありますので是非ご覧くださいね。
vol.25 こどもエコすまい支援事業 - COLUMN 住活のお悩み解決コラム | アユムホーム AYUMU HOME 自由設計の注文住宅 (ayumu-home.co.jp)

オール電化住宅は、今の住まいでもある住宅もリフォームすることで従来よりも格段に電気料金が安くなりますし、火事になりにくく環境に優しいというメリットが大変魅力的です。
これから新築でオール電化住宅やエコキュートの設置を検討されている人は、自治体で用意している助成制度を利用して、費用を抑えてお得にエコにお家づくりを計画していきましょう。

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