COLUMN住活のお悩み解決コラム
vol.27V2Hについて
近年、東京電力をはじめ各社電力会社による値上げが今現在も続いており、
毎月の電気代が格段に上がっているご家庭がほとんどかと思います。
せめて自分たちが日々の生活の中で使う分の電気代をまかなう為や災害時の為に、
太陽光パネルをのせたり蓄電池を取り入れたいとお考えの方も多いのではないでしょうか?
「電気代節約」「災害への備えとして」などのメリットがあることから今注目を集めているV2H。
取り入れるとどんなことに対してメリットがあるのか詳しく見ていきたいと思います。
V2Hとは
Vehicle to Home(ビークルトゥホーム)
「車(乗り物)から家へ」。
という意味があるV2H。
自動車と住宅の間で電力の相互供給をする技術やシステムのことです。
電気自動車(EV)、プラグインハイブリット車(PHV)、燃料電池車(FCV)などに蓄えられた電力をご家庭で利用する為のシステムや考えのことをいいます。
V2Hが注目される訳
近年のEVやPHVに搭載されるバッテリーは、数百キロの長距離を走行できるほど大容量になっています。
外出していない時や睡眠の時間帯などは車を使用していませんので、せっかくためてある電気を使わないのはもったいないですよね。
先ほどお話したとおり、「車から家へ」のV2Hなら、この問題が解決できるといえます。
また、家庭用電源としても使えるということは、EVやPHVの大容量バッテリーを災害時の非常用電源としても利用することができますので、効率の良さや、もしもの時の安心を買うというところでもV2Hは注目されています。
V2H導入の条件
これからの近い未来、今よりももっとEVやPHVを気軽に見かけることが増えると予想されます。
新築取得後に我が家の車も買い替えようとお考えの方や、既にEVやPHVを所有している方にとってメリットが多いV2H。
しかし、すべてのご家庭が導入出来る訳ではありません。
条件をいくつか確認していきましょう。
①自家用車が電気自動車であること
V2Hは電気自動車と家をつなぐための機械です。
大前提として、電気自動車を所有している必要があります。
②自宅と駐車場が隣接していること
EVやPHVと家をコード(有線)でつなぐ為、駐車する場所が自宅に隣接していないとコードが届きません。
その為、自宅から離れたところに駐車場を借りている方や、集合住宅にお住まいの方は、V2Hの利用は基本的には不可能であることに注意しておきましょう。
③電力会社の承諾を得ること
V2Hを利用するためには、電力会社が所有する配電線とV2H機器を接続するための承諾を受ける必要が生じる場合があります。
電力会社からの承諾手続きはV2H機器を設置する業者が代行してくれるので、導入する個人がやらなくてもほとんどの場合は大丈夫です。
メリット
①電気代節約
日中車に乗る方の場合、電気料金が安くなる深夜帯に充電することができ、もし日中に出かけない場合は夜間の間EVやPHVに蓄えた電気を、V2Hを使って家庭用電気として使えるので節約が期待できます。
②非常用電源としても使用できる
例えば停電した際に電力会社の給電や太陽光発電の電力が利用できなくても、自動車に蓄えた電力を蓄電池代わりとして使えます。
③EVやPHVの充電時間が短くなる
V2H機器とEVは、急速充電用のチャデモ規格の充電口を通じて接続されます。
普通充電は3kWまでしか対応していないEVでも、急速充電の仕組みを使ったV2Hの充電では6kWで充電できます。
充電器の出力とEVの充電性能によって左右されますが、V2Hを使えば(急速充電なら)200Vコンセントの約半分の充電時間になります。
④太陽光発電の余剰電力を賢く使える
自宅に太陽光発電があるご家庭の場合、より効率的な運用が可能です。
太陽光発電で作られた電気を家で使いきれない場合、V2Hを導入すれば余剰電力の使い道を自動で切り替えてくれます。
EVやPHVに充電し、満タンになったら自動的に売電に割り切るという使い分けをすれば、節約だけでなくエコにもなりますね。
⑤自治体によっては補助金を受けることが出来ます
EVやPHVなどのエコカーには、自治体ごとに補助金制度を設けています。
中には、V2H本体自体にも補助金を支給するところもあるので、お住まいの自治体に確認することをおすすめします。
デメリット
①導入の費用が高い
V2Hの本体機器の価格は、約50~90万円です(別途工事費)。
しかし、定置型蓄電池よりも安価のため、EV自動車を蓄電池としても使用したいという前提であれば、総合的に見ればコスパがいいと考えることもできます。
各社で様々なプランがあり、月定額プランや初期費用0円のサービスもありますのでこの機会にお調べしてみるといいかもしれません。
②V2H設置場所が限られる
導入の条件でもありました通り、自宅に隣接している場所でないと設置できません。
V2Hは、EVやPHVと家をコード(有線)でつなぐシステムです。導入の前提としてEVやPHVを自宅のすぐそばに駐車させる必要があります。
新築の計画を進めている方は、事前にV2H使用希望という旨を建築会社へ伝えておきましょう。駐車計画の末、建物の配置も変わってきてしまうかもしれません。
最後に
EVとPHVの普及とともに注目されているV2H。
太陽光発電システムやHEMSと連動して活用すれば、家庭内の電気を無駄なく活用でき、環境にも優しい使い方が出来ます。
きっとお得で快適な暮らしをもたらしてくれるはずです。
近年、政府もZEHを目指して動いているため、さらに導入にかかるコストも安価になっていくことが予想されます。
新築取得、マイカー買い替えのタイミングでも、ご家庭での電力の活用方法の幅を広げてみてはいかがでしょうか?
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