TREND家づくりのトレンド情報

vol.27気密と換気

2023.10.12

「夏は涼しく、冬は暖かい」という理想の住まいを実現できるのが高気密・高断熱住宅。
理想の高性能住宅にするために大切な要素の気密性、断熱性、計画換気がありますが、
何か一つだけ特化したとしても効果は最大限に生かせません。
その中でも気密と換気には深い関わりがあり、 一方の性能が悪いと家に不具合が生じたり、正常に機能しなくなったりします。 気密と換気はどのように作用するのか、良くするにはどのようにする必要があるのか紹介していきます。

気密性とは

住宅の気密性を表す数値として「C値」というものがあります。
家に対する総隙間面積の値のことです。
隙間が小さいほど空気の出入りは少なくなりますので、数値(C値)が小さいほど気密性が高い家という事になります。 住宅における気密性とは、その家がどれだけ隙間が無く、室内外の空気の出入りを少なくしているかを指します。
断熱性、省エネ性にも関わる非常に重要な項目です。

換気性とは

快適で健康な家をつくるには、24時間365日、
常にきれいな空気を家中に循環させることが重要です。
室内の空気が汚れていれば、食事面で健康に気遣っていたとしてもシックハウス症候群などの病気にかかってしまう可能性がありますし、湿気が家の中でこもり、結露やカビの発生に繋がってしまいます。
正しい換気をするには空気の流れをつくることが大事です。

室内空気環境の重要性のグラフ

換気は汚れた室内の空気を排出し、新鮮な空気を取り込むことで、室内の空気を清潔に保ち、人と家の健康を維持することが目的です。

気密と換気の関係性

気密には隙間風を防止する役割があり、24時間換気を維持する上でとても大切になります。
家の隙間面積が大きくなればなるほど不規則に空気が入り込み、正しい入口である給気口からの給気量の割合が少なくなってしまうからです。

気密性能と換気口の関係のグラフ

正しい換気

家の中で発生した水蒸気、汚れた空気、においを家の外に排出(排気)して新鮮な空気を取り入れ(給気)ます。 気密性能が低かったり、中と外の温度差がある家だと、風上側から風や空気が侵入し風下側へと抜けていきます。
気密性能が低い家ほど、家の外の環境に影響されやすくなり、計画通りの換気が出なくなります。
その為、計画的な換気を行うためには気密性が大切になってきます。

気密性の基準

我が国の一般的な住宅の気密・断熱性能は、先進国の中でダントツに最低の水準に留まっていることをご存じでしょうか?

各国の住宅の気密性能基準の表

一般的な日本の住宅は欧米の住宅に比べて余計なエネルギーコストがかかる上に、冬は寒く、夏は暑く、さらにはヒートショックやアレルギー・喘息の発症リスクが高く、快適性も著しく劣る性能なのです。

高気密なおうち

「高気密」な状態とは、家の隙間をできるだけ無くし、家の中と外の空気の交わりを断ち切ることをいいます。
せっかく調節した空気が室外へ逃げたり、外の空気が室内へ入ってきてしまったりしないように気密テープや気密シート、断熱材等を使って隙間を減らしていきます。
その家の気密性がどれほどなのか、気密性能は機械で測定できます。

図表
実質延床面積と相当隙間面積(C値)

C値の測定

気密測定器という専用の機材を使用して測定していきます。
この測定は誰でも出来る訳ではなく、資格を持ち、事業所登録された人達のみが行えます。
測定では、有資格者がJIS(日本産業規格)の基準に基づき、減圧方法で測定していきます。
※減圧方法とは、家の中から空気を出し、それによって発生する家の中と外の圧力差を測定し、計算によって隙間の総面積を算出する方法です。

気密測定風景1
住宅気密性能評価書

上記は実際にアユムホームで行った過去の気密測定結果です。(一部抜粋)
相当隙間面積は0.2㎠/㎡です。
総相当隙間面積(33㎠)÷延床面積(166.46㎡)をすると実際の数値がでるので、この物件はC値が0.19㎠/㎡という結果になります。
一般的な住宅の数値が5.0㎠/㎡、いわゆる高性能住宅と呼ばれる数値でも1.0㎠/㎡ですから、非常にレベルが高い数値だという事が一目でわかりますね。

最後に

気密性が高いと室内外の空気が自然に出たり入ったりしないので、外気の影響を受けづらくなり、短時間エアコンを作動させておくだけでも室内温度を長くキープできます。
また、花粉や黄砂、PM2.5などの粒子が細かい有害物質の侵入も防ぎます。
「高気密の家に引っ越したら喘息や花粉症の症状が改善した」などの声も実際にあります。
マイホームをお考えの方は、快適におうち時間を過ごせる住まいのためにどんな事を重要視していきたいか考えてみませんか。

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