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vol.33自然素材が守る健やかな暮らし
~夏の暑さを和らげる内装材の選び方~

2025.10.06

家づくりにおいて「自然素材」を選ぶことは、単なるデザインや質感の好みだけでなく、年月を重ねるごとに暮らしの価値を高めることができます。
夏の群馬のように高温多湿な地域では、冷房効率や室内環境を快適に保つために「断熱」や「遮熱」だけでなく、内装仕上げ材の選択も重要なポイントとなります。 特に、漆喰や珪藻土といった自然素材の塗り壁は、調湿性や蓄熱性に優れ、夏の暑さ対策に大きな効果を発揮します。
今回は群馬という気候風土で、自然素材を内装材に選ぶ意義をまとめてみました。

素材が持つ本質的な違いと快適性

住宅の内装仕上げといえば最も一般的なのはビニールクロス。
コストを抑えやすく、施工もスピーディーでメンテナンスもしやすいという利点があります。
一方で、自然素材を用いた漆喰や珪藻土は、単なる「見た目の違い」だけではなく、住環境そのものに影響を与える性能を持っているという点が大きな特徴です。

自然素材を使用した家の内観

内装材の種類

クロス(ビニールクロス)

• デザインバリエーションが豊富
• 汚れやキズに強い商品も多い
• 工期が短くコストも安定
* 暑さとの関わり*
クロス自体は調湿機能や蓄熱性がほぼなく、夏場は湿気がこもりやすい。表面温度が上がると熱をそのまま感じやすく、「ムッとした暑さ」が室内に残りやすい。

漆喰(しっくい)

石灰石を焼いて作られる消石灰を主原料とする塗り壁材。日本では城郭や蔵など歴史的建築にも多用されてきました。
• 強アルカリ性による防カビ、抗菌性
• 硬化後の高耐久性
• 表面の光反射率が高く、室内を明るく保つ
* 暑さとの関わり*
漆喰は吸放湿性能を持ち、梅雨や真夏の多湿環境で湿度をコントロール。湿度を下げることで体感温度を下げ、冷房負荷を軽減します。

珪藻土(けいそうど)

珪藻という藻類の化石を主成分とした塗り壁材。多孔質構造を持ち、調湿性能に優れています。
• 微細な孔による高い吸放湿性能
• 消臭・有害物質吸着効果
• 柔らかいマットな仕上がり
* 暑さとの関わり*
湿度調整力が高く、エアコンをかけ始めた際に効果を発揮。湿度が下がると同じ室温でも涼しく感じられるため、冷房効率が向上します。

漆喰珪藻土(ブレンド材)

漆喰と珪藻土を組み合わせたハイブリッド仕上げ材。両者のメリットをバランス良く取り込めるのが特徴です。
• 漆喰の耐久性、防カビ性
• 珪藻土の吸放湿性、消臭性
• 職人の施工次第で多彩なテクスチャー表現が可能
* 暑さとの関わり*
室内の温度、湿度変化を緩和し、冷房の立ち上がり効率を高める点で非常に有効。ランニングコストの低減にもつながります。

自然素材を使用した家の内観

自然素材の経年変化とは

自然素材は「完成した時が一番きれい」なのではなく、使い込むほどに深みが増すのが特徴です。
•無垢材の床
→ キズや色の変化も「味」となり、ツヤや滑らかさが増していく。
•漆喰や珪藻土の壁
→ 時間とともに落ち着いた色合いに変化し、より自然な風合いに。
•天然石やタイル
→ 風合いが柔らかくなり、住まいに馴染んでいく。

人工素材は劣化や汚れが「マイナス」として現れることが多いのに対し、自然素材は変化そのものがプラスの価値になることが多くあります。

経年変化がもたらすメリット

・味わいと愛着
→ 家族と同じ時間を過ごす中で、素材が少しずつ変化していく。これが「住み継ぎたい家」への愛着につながります。
・メンテナンス性
→ 無垢材は削れば新品のように蘇り、漆喰や珪藻土は補修が容易。張り替えより修復で長く使えるのは大きな利点です。
・健康、快適性
→ 自然素材が持つ調湿性と抗菌性は、経年によって失われにくく、むしろ家全体の安定感を増していきます。

群馬で自然素材を使うことが人気な理由

群馬県は「夏は猛暑」「冬は乾燥」の両極端な気候を持っています。
• 夏のメリット
→ 漆喰や珪藻土が湿度を調整し、蒸し暑さを軽減。木材も熱を伝えにくく、体感温度を和らげる。
• 冬のメリット
→ 無垢材の床は冷たさが和らぎ、空気も自然に潤う。乾燥で起こる体調不良の軽減にもつながる。

さらに、群馬は山々に囲まれ、寒暖差の大きい地域材(スギやヒノキなど)が育ちやすい環境です。
地場の自然素材を使うことで、家が気候に馴染みやすく、環境負荷の低減や地域循環にも貢献できます。

自然素材を使用した家の内観

最後に

猛暑日が続く群馬のような気候では、冷房設備だけに頼らず、内装材そのものが快適性に寄与する仕組みを取り入れることが重要です。 漆喰や珪藻土を活用した塗り壁は、省エネ性・快適性・デザイン性を同時に高める選択肢として、今後ますます注目されるでしょう。
家づくりにおいては、デザインやコストだけでなく、素材が持つ本質的な性能を踏まえた選択が、長期的な快適さと省エネ性の満足度につながります。

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