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vol.32寒暖差のある群馬でこそ選びたい 国産ひのきを土台に使う家づくり

2025.06.09

群馬県は、気候区分で「6地域」に属するエリアが多くを占めますが、一部では「2地域」という非常に寒冷な地域も存在します。 このような寒暖差の大きい環境では、家の構造材、特に土台の耐久性・防腐性が住まいの寿命を左右します。
そこで注目したいのが、国産ひのきを使った土台です。 ひのきは日本の気候に適応した優れた木材であり、群馬県の多様な気候条件にもしっかりと対応できる素材です。
なぜひのきが適しているのか、素材本来の特徴や家づくりに対してのメリットなどまとめていきます。

ひのきの木

ひのきは日本を代表する針葉樹で、日本に植えられている針葉樹の割合の内、多くを占めています。 ひのき風呂、ひのき舞台といった利用シーンから高級なイメージがあるかと思いますが、戦後に日本国内で多く植林され資源が豊富になったため、より身近な木材になってきています。 日本が誇る世界最古の木造建築、法隆寺の西院伽藍にも使われた木材もひのきです。
ひのき材は一般的にスギよりも強度があり、見た目は白っぽく、心材がピンク~黄色を帯び、芳香が優れているのが特徴です。
柱など住宅の構造材によく使われるほか、フローリングや羽目板などの内装材にも使われています。

ひのきの葉っぱ

ひのきの葉っぱ

ひのきの葉っぱはうろこ上に小さな葉が集まってできていて、扁平に枝につきます。 この葉っぱには精油が含まれており、ひのき特有の香りがします。
また、抗菌作用もあるとされるので、生鮮食品の下に敷いてあるのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。 最近ではひのきの葉から抽出したアロマオイルも商品化されています。

ひのきの特徴

  • 1. 触り心地がよい

  • 2. 耐久性が高い

  • 3. 抗菌作用・防虫効果がある

  • 4. リラックス効果がある

  • 5. 経年劣化が楽しめる

ひのきにはフィトンチッドの効果があり、防虫・消臭効果に優れ、リラクゼーション効果があると言われています。 食品への防腐・殺菌効果があり、食品の鮮度を保つことに役立っています。
昔の人がおにぎりを木の皮で包んでいたように、今でも木製のお弁当箱やキッチン用品をよく見かけるのも、フィトンチッドを発揮するからです。

ひのきが持つフィトンチッドの効果

「フィトンチッド」とは、植物が生きるために身につけた生きるための能力のひとつで、植物に絶えず侵入しようとする有害な微生物(菌や細菌)や害虫などの外敵から攻撃や刺激を受けたり、病原菌に感染しないよう傷口を殺菌したりするために、自身でこの効果を発揮します。
「フィトン(=Phyton植物)チッド(=Cide殺す・殺菌)」という語源で、動物のように自由に動き回れない植物自身が、自己防衛のために作り上げた物質です。 森の中には動物の死骸や腐敗した植物など様々な堆積物などがあります。
本来なら、これらの臭気が気になるはずですが、全くこれらを感じさせないのはフィトンチッドが消臭効果や脱臭効果、殺菌作用を持ち、空気を浄化する能力があるからです。

スギ(杉)との違いは?

ひのきとスギは日本の林業を象徴する樹木で、その香りや耐久性から、古くから重要な木材として利用されてきました。 特に寺社仏閣や高級建築材としての需要が高く、日本の伝統的建築文化を支えています。 ひのきは、成材するまでに50~60年と長い年月を要して資源量が限られているため、スギに比べて高価な木材です。
さらに、商品価値を高めるための手入れがスギよりも多く求められるため、生産コストが高くなる傾向にあります。 また、木肌がきめ細かく美しいひのきは、スギよりも耐水性や耐久性、強度に優れており、高級建材として広く利用されています。

ひのきの無垢材と集成材の違いは?

ひのきの無垢材は、一本の木から切り出された純粋な自然素材であり、美しい木目や芳香が魅力的です。 一方、集成材は複数の木片を接着剤で組み合わせて作られるもので、均一な強度と形状を保ちながら比較的安価で提供される点が特徴です。
無垢材は経年変化による風合いの変化が楽しめ、自然そのものの質感を生かしたい方におすすめです。 どちらを選ぶかは用途やコスト、価値観に応じた判断が求められます。

ひのきが使用される主な箇所

柱や構造材

ひのきは柱や構造材に使われることが多く、耐久性や耐熱性に優れている点が魅力です。 湿気や腐朽にも強く、長期間安定した機能を発揮するのも特徴です。 高価ではありますが、長期的な耐久性と美しさを考慮すれば、コストパフォーマンスが高い木材といえます。

フローリング

ひのきの無垢材ならではの温かみのある質感で、触れるたびに心地よさを感じられるのが特徴です。 さらに自然な色合いと光沢が空間に高級感を与え、インテリアとしての価値を高めます。

家具

ひのき本来の美しさと機能性から、テーブルや椅子、収納家具など様々な家具に幅広く使用されています。 ひのきのアイテムは自然な木目と柔らかな色合いが魅力的で、空間に温かみと高級感を与えます。 また、抗菌作用があることから、まな板やカトラリーの素材としても人気です。 軽量で扱いやすく、細菌の繁殖を抑える特性から、清潔に保ちながら長期間使用が可能です。

土台にひのきを用いることが向いている理由

1. 高耐久・防虫性で、過酷な環境でも安心

国産のひのきには天然の防虫成分「ヒノキオール」が含まれており、防虫効果や防蟻効果などがあります。 湿気や耐久性に強い特性があるので住宅にとって大敵なダニやシロアリの存在もひのきが予防してくれるのです。
特に2地域などの寒冷地では、冬の間の結露や春の融雪による水分で土台が傷みやすくなりますが、腐りにくいひのき材なら、こうしたリスクを大幅に軽減できます。 他の木と比べて耐久性が高く、建築に向いていると言われています。

2. 湿気にも乾燥にも強く、群馬の気候にマッチ

群馬は、冬は乾燥、夏は多湿という二面性のある気候が特徴。
ひのきは油分が多く、湿気に強い一方で乾燥による割れや反りにも比較的強いため、1年を通して安定した性能を発揮します。

3. 国産材で地域を支え、輸送リスクも少ない

国産ひのきを選ぶことは、国内の林業を支えるだけでなく、輸送による品質劣化のリスクが少ないのも大きな利点です。
地元に近い山林で育った木材を使用することで、気候へのなじみも良く、安心感が違います。

国産材を選ぶという安心と未来

さらに、「国産ひのき材」を使うことは、国内の森林資材を活用し、地域の林業を支えることにもつながります。 全国的な課題となっている地産地消の観点でも、群馬県や周辺の林業地域の木材を活用することは、地域環境に優しい選択と言えるでしょう。
現在、輸入品が抱えている課題を受けて、建築業に限らず国産材への切り替えを本格的に進める動きがみられています。
地域でとれる木材を活用して、その土地の公共施設などに活かす地産地消を進めれば国内の木材消費量は増加し、林業の人手不足を解消できるようになります。 国産材・地域産業を積極的に活用していくために、国は国産材への安定的な確保・活用のための支援をスタートし、自治体レベルでも公共施設や商業施設などでの国産材・地域産材の活用を支援しています。

最後に

「見えないところにこそ、本物の価値を。」
建物の土台は、完成後にはほとんど目にすることがない部分です。
しかし、だからこそ「本当に良い素材」を選ぶことが家全体の質に直結します。
香りや風合いも魅力のひのきは、住まいに「見えない安心」を与えてくれます。
アユムホームでも建物の土台にひのきを採用しています。
群馬県という、寒さと暑さの両方に対応が求められる地域だからこそ、土台材には「耐久性・防湿性・防虫性」の三拍子そろった国産ひのきが最適です。
長く住み続ける家だからこそ、足元からしっかりと守りませんか?

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